ウィーンの水道水はアルプスの天然水!900ヶ所ある水飲み場で飲み放題

ウィーンの水

海外旅行に行くと心配なのが水質のこと。世界では水道水が飲める国は数少ないので、日本と同じ感覚で飲むとお腹を壊してしまうこともありますよね。

ですが、オーストリアでは安全でおいしいお水がいつでも飲むことができるのです。
今回は、街中にも無料の水飲み場があちこちにある、ウィーンの飲料水事情についてご紹介します。

目次

◆ウィーンの水道水はアルプスの天然水
◆ウィーン市内にある水飲み場
◆オーストリア主要都市の水飲み場
◆カフェで「おひや」がもらえる?

◆ウィーンの水道水はアルプスの天然水

ウィーンの水道が整備されたのは19世紀。
当時、ドナウ川は生活排水などで汚染され、病気の蔓延などが問題になっていました。その対策として時の皇帝、フランツ・ヨーゼフ1世の指示でアルプスから水道が引かれることに。
以来、ウィーンは都会にいながら誰でもアルプスの天然水が飲めるという贅沢な体験ができる街になったのです。
ウィーンの水
丘の上から見たウィーンの街。今は水質改善されたドナウ川ですが、その水は飲用には使われていません。
現在、一部はウィーンの地下水も使用されていますが、98%がアルプスからの水。検査も厳重に行われているため、水質は世界的に見ても高いものです。

そう聞いても、海外で生水は怖い…と思われる方も多いかもしれません。
私もお腹がとても弱いので始めは恐る恐るでしたが、オーストリアではお水のせいで調子を崩したことはありません。
数か月滞在したときも、ほぼ毎日飲んでいましたがまったく問題ありませんでした。
むしろ日本にいたときよりも調子がよかったくらいです(ストレスが減ったせいかもしれませんが…笑)

ただし硬水なので体質に合わないということもあるかとは思います。
初めて飲むときには、少量から試してみてくださいね。
ヴォルフガング湖
国土の約60%がアルプスなので、雪解け水により水源は豊富。澄んだ美しい湖も多数存在します。

◆ウィーン市内にある水飲み場

ここ数年のうち暖かい季節にウィーンを訪れた方は、市内のあちこちに銀色の塔のようなものがあるのをご覧になったかと思います。
これはウィーン市が設置した水飲み場。ドイツ語でTrinkbrunnen(トリンクブルンネン)といいます。(Trinkwasserとも書かれています)

ウィーンの水
ウィーンの新王宮前にある水飲み場。
ウィーンの水
「Drücken」と書かれたボタンを押すと水が出ます。自動で止まるのでいいのですが、しばらく流れ続けるのでちょっともったいない気持ちに(笑)

夏季のみ出現するこの水飲み場、どういう仕組みになっているかというと、なんと消火栓から水を引いているそうです。
消火栓自体は約12,000ヶ所あり、その一部を利用しているとのこと。

このことを知ったとき、消火栓の水もアルプスの天然水なんだ…と衝撃でした。水の豊富な国だからこそ、でしょうか。
滞在中には何度も利用しましたが、冷たくておいしいお水です。消火栓と聞くとひるんでしまいそうですが、大丈夫ですよ!

これらの水飲み場があるのは、主に王宮や中心部のグラーベンなど人通りの多い場所。
ウィーン市のサイトのBrunnen in Wienのページから地図を確認することができます。

ウィーンの水
市庁舎前にある芸術的な水飲み場。

新しい銀色の水飲み場のほかに、大理石でできたものも。
こちらは石の噴水を多く手掛ける彫刻家、ハンス・ムーアの作品だそう。芸術の都らしい、美しい水飲み場です。
数は多くありませんが、市庁舎前広場やホーアーマルクトなどで見ることができます。
ウィーンの水
シュテファン広場のポンプ。公園などでもよく見かけます。

また、鋳鉄型のポンプも街中ではよく見かけます。こちらは19世紀末からの歴史があるもの。
犬のための水受けがついていて、動物を大切にするお国柄という気がしますね。観光用のフィアカー(馬車)を引く馬に、水をあげている姿を目にすることもあります。

◆オーストリア主要都市の水飲み場

ウィーン以外の街でも、もちろん水飲み場は数多く設置されています。
アイゼンシュタットこちらはアイゼンシュタットにある泉。「Trinkwasser」と書かれているので、これも飲用可です。
どこでも飲めるわけではなく、「Kein Trinken」とあるものはNG。

こうした昔ながらのタイプはパッと見ただけでは飲用かの判断がしにくいですが、「Kein」の文字がある、またはなにも書かれていないところでは飲まないようにしましょう。

グラーツこちらはグラーツの時計台があるシュロスベルクでの一枚。街灯の左にある銀の柱が水飲み場です。
チロルなど田舎のほうに行けば、もっと素朴なスタイルの水飲み場もあるようなので、そういう場所ならさらにおいしく感じそうですね!

主な都市の水飲み場については下記リンクから確認できます。

・ザルツブルク
https://www.salzburg.info/de/reiseinfos/salzburg-a-z/trinkbrunnen-in-der-stadt-salzburg_az_10283

・インスブルック
https://www.innsbruck.gv.at/page.cfm?vpath=freizeit--sport/radfahren--laufen/trinkbrunnen

・グラーツ
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?ll=47.07484084316553%2C15.43510399999991&spn=0.135147%2C0.283241&msa=0&mid=11lSl35ncbtOGnEDl9BQYPHbuuOQ&z=11

・リンツ
http://webgis.linz.at/rpweb/Brunneninfo.aspx?site=GMSC&project=Trinkbrunnen&lang=de-de

◆カフェで「おひや」がもらえる?

ウィーンの水
伝統的カフェハウスのひとつ、Sperl。
オーストリアでは、コーヒーにお水がついてきます。これももちろん水道水。
こんな風に、シックな銀のお盆にコーヒーとお水がのってくるのが定番のウィーンスタイルです。
この習慣は、ウィーンのお水がおいしいことのアピールだとも、コーヒーの濃さを和らげるためとも言われており、由来ははっきりしていません。
お隣ドイツでも水道水は飲めますがこんなサービスはないので、カフェでお水をもらえないことで国境を越えた実感を持ちます(笑)

コーヒーについてくるのは小さなコップなので、喉が渇いていればすぐに飲み干してしまうこともありますよね。
そうしたときにはおかわりも頼めますので、テーブル担当の店員さんに声をかけてみてください。
ちなみに、19世紀末の雰囲気を残すCafé Sperlでは、おかわりはセルフサービスでした。

コーヒーを飲まないときも注文すれば水道水をもらえますが、一部のカフェやレストランでは有料の場合もあります。
ドリンクメニューに「Leitungswasser(ライトゥングス ヴァッサー)」とあれば水道水のことです。

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旅先で気になる飲用水、ウィーンをはじめとしたオーストリアではまったく心配無用ということがおわかりいただけたでしょうか。
日本より乾燥した気候なので喉もかわきますが、気軽にお水が飲めるのはうれしいですよね。
オーストリアを旅するときは、ぜひそのおいしいお水を飲んでみてください。

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参考サイト

ウィーン市観光局「ウィーンの水:世界に誇る水質」
Stadt Wien / Wiener Wasser

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