オーストリア秋の味覚!発酵中のワイン、シュトゥルムがおいしすぎる
ワインの仕込み真っ盛りのこの季節のお楽しみ…
それがSturm(シュトゥルム)です。
シュトゥルムはぶどうジュースが発酵し、まだワインになる前の状態。
りんごジュースのように飲みやすく、ほんのり炭酸が舌をくすぐる、絶品ドリンクです。
ぶどうが収穫される夏の終わりから、新酒が出回る11月中旬までの短い期間、ワイン産地でしか飲めない貴重ものなのです。
日本ではめったに味わうことのできない、シュトゥルムについてご紹介します。
目次
◆「嵐」を意味する名前、その由来とは?
◆シュトゥルムを飲める場所は?
◇オーストリア国内のワイン産地
◇お店や屋台で
◆瓶で買う場合
◆お土産にはできない
◆日本で飲みたい!
◆「嵐」を意味する名前、その由来とは?
シュトゥルムとは、ドイツ語で「嵐」を指します。
なぜそんな名前なのでしょうか?
同じものでもお隣ドイツではFederweißer(フェーダーヴァイサー)といい、意味は「白い羽」。
沈殿した酵母が白い羽のようにも見えることからついたのだそう。
「嵐」に比べると、上品な名前ですよね。
ちなみに、赤ワインの場合は「フェーダーローター」(rot=赤)になります。
一方のシュトゥルム。
だいぶ趣は異なりますが、共通点は、発酵中だからこその特徴からついた名前だということ。
発酵し続けているためしゅわしゅわと炭酸ガスが発生しており、たくさん飲むと「お腹の中が嵐になる」と言われているのです!
お腹の弱い人(私もです…)は特に要注意。
シュトゥルムはまだぶどうの甘さが残りつつ、かすかな炭酸で口当たりがよく、とても飲みやすくなっています。
だからついつい、進んでしまうんですよね。
炭酸は本当にわずかにという程度なので、苦手な人でも大丈夫。
アルコール度数は発酵具合によって変化しますが、特に初期の頃はほとんどジュースのようなもの。と言っても、お酒はお酒です。
おいしいからと飲みすぎないように気をつけてくださいね。
◆シュトゥルムを飲める場所は?
◇オーストリア国内のワイン産地
ヴァッハウ渓谷の斜面に広がるワイン畑。秋には黄金色に染まります。 |
つまり、飲めるのはワイン産地やその周辺ということになります。
ですがウィーンは、首都でありながら市内に広大なワイン畑を有する一大ワイン産地。
街中でもいたるところでシュトゥルムを飲むことができます。
少し足を延ばしても、ヴァッハウ渓谷やブルゲンラントなど、ワインも観光も有名なエリアがあるので、小旅行で訪れてみるのもおすすめ。
もう少し日程に余裕があるなら、南部のシュタイアーマルクなどは国随一のグルメ州として知られているので、ゆっくり巡ってみるのもアリかも。
もちろんワインもおいしいです。
独特の色合いと風味が楽しめるシルヒャーのシュトゥルム。「乾杯」はシュトゥルムの時は「Mahlzeit!(マールツァイト)」といいます。 |
ロゼと言っていい鮮やかな色をしていますが、風味が独特。
そのシルヒャーのシュトゥルムもとってもおいしいので、見かけたらぜひ試してみてください。
シルヒャーは人気のためか、ウィーンでもちょくちょく提供している場所があります。
品種はもちろん、発酵具合によって味が異なるので、飲み比べも楽しいですよ!
◇お店や屋台で
ワイン畑越しに見るウィーン。こんな風景を見ながらワインやシュトゥルムが飲めるホイリゲもたくさん。 |
ホイリゲとはウィーンを中心としたオーストリア独特の、ワイン農家直営の酒場のこと。
観光地には団体も入れる大型店舗もありますが、本来は農家が自家製ワインと簡単な食事を提供する場所です。
ウィーン市内でも多くのホイリゲが点在し、天気のよい日ならシャニガルテンと呼ばれるテラス席で、庭やワイン畑を見ながらのんびり飲むことができます。
街中のカフェやレストランでも提供しているお店があります。
外の看板に「Sturm」や「Sturmzeit」(Zeitは時、時期の意味)などと書かれていれば間違いないです。
ミュージアムクォーターのレストランCorbaciにて。エキゾチックな雰囲気のスープとともに。 |
気軽に楽しみたいなら、屋台もおすすめ。
たとえばこちらは、マリアヒルファー通りの教会前に出ているソーセージの屋台。
机も出ており、おいしいソーセージとともにゆっくり味わうことができました。
大きなホットドッグもおいしい。 |
マリアヒルファー通りの屋台横に並ぶシュトゥルムの瓶。 |
ただし、要冷蔵ですし横に倒すことはできません。
立てて入れられる冷蔵庫がない場合はその日のうちに飲み切ることが肝心です。
また、毎週末に旧市街の広場、Freyung(フライウング)で開かれるビオのマーケットでも飲めました。
おいしいチーズやハムの屋台も出ており、ちょっと立ち寄って1杯飲めます。
ほとんどの場合、1杯は1/4リットルです。
見ての通りなみなみと入っていますので、1杯でも充分飲みごたえがあります。
お店によっては1/8リットルのメニューが用意されているところもありますし、市場で飲んだ時には1/4を友人と2人でシェアするのでと言って2つのコップに分けてもらったことも。
あまりたくさん飲めない人は、店員さんに相談してみるといいかもしれません。
◆瓶で買う場合
市場に並ぶシュトゥルム。蓋は載せてあるだけの簡易的なもの。 |
前述のホイリゲでも自家製シュトゥルムを購入できるので、1杯飲んで気に入ったらその場で買うというのもOK。
ほとんどはガラス瓶ですが、スーパーでは手軽なペットボトルのものも。
ただし、発酵が止まっておらず密閉すると破裂する危険があるため、簡単にアルミをかぶせるだけ、または蓋に穴が開いている状態です。
ですから横に倒したり振ったりすると、こぼれてしまうので要注意。
市場などでは倒れないように工夫して袋に入れてくれますが、スーパーで買うならなるべく事前に用意しておきましょう。
ワイン用の紙袋などは販売されていますが、日本のような簡易的なビニール袋はありません。
市場からお持ち帰り。冷蔵庫で1週間程度なら日持ちしますが、味がだんだん変わっていくので早めに飲み切るのがおすすめ。 |
同じお店で返却すればその分は返ってきますが、購入時のレシートもなくさないよう気をつけてください。
◆お土産にはできない
現地で飲んで、私も虜になったシュトゥルム。気に入ったら持ち帰りたいですよね。
持ち帰りたいんですよ、私も…日本ではめったに飲めませんから…。
でも、こればかりは絶対にできません!
日持ちもしませんし、横倒しにもできないので、その時点で無理であることはおわかりかと思います。
よもや自分で用意した瓶で密閉して持ち運び…なんて人はいないとは思いますが…
昔、まだ機内への液体持ち込みが制限されていなかった頃に持ち込んだ人がおり、上空で炭酸ガスが膨張し、シャワー状態に…という話を聞いたことがあります。
スーツケースに入れでもすれば大惨事になるでしょう。
そんなわけで、まずおすすめできません。
…とっても、とっても残念ですが…
◆日本で飲みたい!
飲みたいです!!!よね!?!なんと、一部ワイナリーのワイン祭りなどで、発酵中のものが振る舞われることがあるそうです。
山梨の「ロリアンワイン祭り」で提供されるという情報を得たので今年、行ってくるつもりです。
こちらは期待できそう!
飲んだらレポしたいと思いますので、お楽しみに!
~追記~
日本のワイナリーでのシュトゥルム試飲レポートと、国内で飲める場所をまとめました!
→日本でもシュトゥルムが飲める!山梨のワイナリーへ行ってきた
ウィーンのオクトーバーフェストWiener Wiesnで飲んだシルヒャーシュトゥルム。ビールの祭典でも飲めてしまうところがさすが! |
いかがでしたか?
この時期、この場所でしか飲めない本当の限定グルメ。
夏の終わりから秋にかけて旅行するなら…というか、むしろこのためだけに行ってもいいくらいのおすすめです。
どうぞ、機会がありましたら試してみてください!
【関連記事】
日本でもシュトゥルムが飲める!山梨のワイナリーへ行ってきた
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シュツルムは中々手に入りません。もっと出荷出来ないのでしょうか?
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