ウィーンの交通機関を乗りこなそう【その2 市電の停留所と路線】

ウィーン市電

ウィーンの交通機関を乗りこなすための基本情報をまとめたこのシリーズ、
その1 乗車券の買い方と乗り方」では、乗車券の買い方と乗り方についてご説明しました。
今回は人気の高い市電の路線について詳しくご紹介したいと思います。

■目次■

◆リンク沿いの主な停留所
◇Kärntner Ring. Oper(ケルントナーリンク・オーパー)
◇Burgring(ブルクリンク)
◇Rathausplatz/Burgtheater(ラートハウスプラッツ/ブルクテアター)
◇Schottentor(ショッテントーア)
◇Schwedenplatz(シュヴェーデンプラッツ)
◇Stubentor(シュトゥーベントーア)
◇Schwarzenbergplatz(シュヴァルツェンベルクプラッツ)

◆市電の主な路線
◇Linie 1
◇Linie 2
◇Linie 71
◇Linie D
◇Linie 38

◆リンク沿いの主な停留所

ウィーン市交通局のウェブサイトから、路線図のPDFがダウンロードできます。
このNetzpläneの中の「City-Plan」は中心部の地図に路線図が示されたもので
観光で行かれる方には使いやすいと思います。
市内全域を網羅した路線図は「Gesamtnetzplan」で
いずれも細く濃い赤のラインが市電のライン、停留所は円または半円で示されている場所です。

旧市街を囲み、環状になっているRingstraße(リンク通り)は、車は一方通行ですが
市電については時計回りが内側、反時計回りは外側を走っています。
その中で、観光客の利用する機会が多い停留所についてご説明します。
以下は時計回りの順となっています。

◇Kärntner Ring. Oper(ケルントナーリンク・オーパー)

停留所
国立歌劇場前。反時計回り方面の停留所に停まる路線1の市電。
国立歌劇場の前に位置し、地下のKarlsplatz(カールスプラッツ)駅でU1、U2、U4に乗り継げます。
歌劇場の目の前、通りの向かい側の停留所は反時計回り、
劇場を背にして左手側のケルントナー通りを渡ったところにある停留所に、時計回りの市電が停まります。
ここから王宮や市庁舎方面に行きたければ、時計回りに乗れば良いのです。

また、近くにWLB(ウィーナー・ローカルバーネン)の乗り場もあります。
近郊にある温泉街バーデンまで行く、Badnerbahn(バードナーバーン)とも呼ばれる鉄道です。
この鉄道もウィーン市内は通常の市電と同様の扱いになりますが
市境を越えて乗車するならウィーン市外の料金が必要となりますのでご注意ください。
乗り場のすぐ横に専用の窓口と券売機があります。
WLBの車両は白地に青のラインが特徴です。


◇Burgring(ブルクリンク)

王宮や美術史美術館に行くならここが最寄りとなりますが
国立歌劇場から一駅ですので、歩いてもさほどの距離ではありません。
時計回りの路線に乗っていると、右手にモーツァルト像のあるブルク庭園(Burggarten)が見え
停留所はそのすぐ近くです。

◇Rathausplatz/Burgtheater(ラートハウスプラッツ/ブルクテアター)

市庁舎前
市電の車内から見た市庁舎前停留所。
名前のとおり、市庁舎(ラートハウス)とブルク劇場の間にある停留所。
市庁舎側が反時計回り、ブルク劇場側が時計回りとなります。

◇Schottentor(ショッテントーア)

市庁舎前のひとつ北に位置する停留所。
多くの路線が乗り入れており、地上だけでなく地下にも停留所のある変わった場所です。
リンクに沿って走る路線の乗り場は地上にあり
地下にあるのはグリンツィング行の38番など、ウィーン市の北側方面の乗り場になります。
また、2本の尖塔が美しいヴォティーフ教会(Votivkirche)はここが最寄りです。

◇Schwedenplatz(シュヴェーデンプラッツ)

ドナウ運河沿いにある停留所。
目の前にある観光クルーズ船の乗り場は船のような特徴的な形状の建物です。
シュヴェーデンプラッツ
シュヴェーデンプラッツの停留所。右側は観光用トラム乗り場、その向こうに地下鉄駅への入り口もあり。
地下鉄U1、U4との乗り換えで利用することも多く、市電の乗り場も並行して数か所あります。
慣れないと戸惑いますが、乗り場に路線が示されており
電光掲示板にも行先と発車までの時間が出ていますので、よく見て乗車してください。

ちなみに、ひとつだけ黄色の目立つ乗り場がありますが
そちらはリンク通りを一周する観光用のヴィエンナ・リンク・トラムです。
通常の乗車券では乗れないものですのでご注意ください。

◇Stubentor(シュトゥーベントーア)

MAK(応用美術館)やウィーン市立公園の最寄りで、地下鉄U3とも乗り継げます。
公園内のシューベルト像もその停留所から近い位置にあります。

同じ市立公園にあるシュトラウス像はそこから歩いても行けますが
その最寄りはひとつ南側のWeihburggasse(ヴァイブルクガッセ)です。

国立歌劇場前から行く場合は、反時計回りの路線2に乗ってください。

◇Schwarzenbergplatz(シュヴァルツェンベルクプラッツ)

路線2の停留所はリンク沿いにありますが
71やDなど、南側へ進む路線はリンクの外に停留所があります。
乗り換えの際にはお気を付けください。

すぐ近くにはリンク沿いで最も古いカフェハウス「カフェ・シュヴァルツェンベルク」もあります。

◆市電の主な路線

市電は、多くの観光スポットが集中している旧市街の中には走っていないものの
そこを囲むリンク通りは複数の路線が行き交うほか
リンクにある停留所を始発とする路線も少なくありません。

その中から、観光客にも利用しやすい路線をいくつかピックアップしてみましょう。

◇Linie 1

国立歌劇場前で、時計回り方面に行く停留所からPrater Hauptallee(プラーターハウプトアレー)行に乗ると、
王宮や市庁舎前を通り、ドナウ運河沿いのシュヴェーデンプラッツを過ぎた後、リンクを離れます。
トラム
フンデルトヴァッサーハウスの前を走る路線1の市電。
その後、フンデルトヴァッサーハウスを過ぎ、最終的にプラーター公園の中に着きますが
有名な大観覧車からは1キロほど離れた位置になるので注意しましょう。
もしそこからプラーターの緑を楽しみつつ観覧車へ向かう場合は
市電を降り前方へ進むと、まっすぐな並木道があるのでそれを左に進めば見えてきます。
多くの市民がジョギングや散策を楽しんでおり、気持ちが良い場所です。

ただ、中心部からプラーターの大観覧車へ直接行きたい場合は
地下鉄U1が最も早く、便利です。
地下鉄についてはまた別記事で!

◇Linie 2

反時計回りに走るのはFriedrich-Engels-Platz(フリードリッヒ・エンゲルス・プラッツ)行き。
市庁舎の横からリンクに入ります。

美術史美術館、国立歌劇場、市立公園を通り、
ドナウ運河沿いのシュヴェーデンプラッツを過ぎると橋を超えてさらに北へ向かう路線です。
アウガルテン最寄りのTaborstraße(タボアシュトラーセ)も通ります。
逆方面はDornbach(ドルンバッハ)行きです。

◇Linie 71

リンクの北側にあるBörse(ベーゼ)が始発・終点。
反時計回りにショッテントーア、市庁舎前、王宮、国立歌劇場を通り
シュヴァルツェンベルクプラッツでリンクを離れます。
トラム71
ベルヴェデーレ下宮の横を通る路線71、中央墓地行き。
そのまま乗っていくとベルヴェデーレ宮殿の下宮横を通り、
多くの音楽家が埋葬されているウィーン中央墓地に着きます。
楽聖の眠る特別区はZentralfriedhof 2.Tor(ツェントラルフリードホーフ ツヴァイテトーア)で降り
門から入りまっすぐ進むと左手に見えてきます。

終点はその次のZentralfriedhof 3.Tor(ツェントラルフリードホーフ ドリッテトーア)です。

◇Linie D

Alfred-Adler-Straße(アルフレッド・アドラー・シュトラーセ)からウィーン中央駅の東側を通り
リンクを抜けて市内北側に位置するNußdorf(ヌスドルフ)まで行く路線です。

シュヴァルツェンベルクプラッツから国立歌劇場、王宮、市庁舎前を通り、ベーゼからリンクを離れると
フンデルトヴァッサーがデザインしたSpittelau(シュピッテラウ)のカラフルなゴミ処理場を通り、
ベートーヴェンの散歩道の最寄りNußdorf, Beethovengang(ヌスドルフ、ベートーヴェンガング)が終点です。
ベートーヴェンの散歩道
ヌスドルフから行けるベートーヴェンの散歩道は今でも落ち着いたエリア。
ベートーヴェンの散歩道までは地下鉄U4を使う行き方もありますが
出発地点が国立歌劇場や王宮、市庁舎前付近なら、乗り換えなく行ける市電Dがおすすめです。

◇Linie 38

リンク沿いは走りませんが、ショッテントーアの地下停留所から発着し
人気のホイリゲ街Grinzing(グリンツィング)に至る路線です。
途中、シューベルトの生家も通ります。
グリンツィング
グリンツィングの停留所は風情がある。
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いかがでしたか?
市電はスピードもそれほど速くないので車窓も楽しめ、
景色を確認しながら移動できる初心者には優しい交通手段です。
行先を確認して乗れば怖いものではありませんので、ぜひチャレンジしてくださいね!
また別の機会に、交通機関を使った観光スポットの周り方もまとめたいと思います。

そして次の記事では、地下鉄とバスについてご紹介します!


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