オーストリアの素朴な冬のお菓子Funkaküchleを作ってみた


クリスマスや年末年始といった華やかな時期が過ぎ、寒さがより厳しくなるこの時期、次に楽しみなのはファッシング(カーニバル)。

ウィーンでファッシングのお菓子として有名なのはクラプフェンという揚げドーナツのようなお菓子ですね。
オーソドックスなものは中に杏ジャムが入っていますが、現在はベリー味やチョコレートがけなどバリエーションも豊富。
ドイツではベルリーナーやプファンクーヘンとも呼ばれており、東欧でも同じようなお菓子があります。
クラプフェン
ウィーンの老舗菓子店アイーダのショーウィンドウに並ぶカラフルなクラプフェン。一年中食べられるけど、本来はカーニバルのもの。
ですがオーストリアでも、西部に行くとまた違った揚げ菓子があるのです。
今回作ってみたのが、最西端フォアアールベルク州の伝統菓子Funkaküchle。
どんなお菓子なのか、紐解いていきましょう。

◆目次◆

1.Funkaküchleとは
2. Funkaküchleのレシピ
3.さて、お味は…

1. Funkaküchleとは

四旬節の日曜日、Funkensonntagに行われるのが、焚き木を高く積み上げて魔女の人形を焼くというお祭り。
Funkenが火花などを意味し、Sonntagが日曜日です。
魔女は厳しい冬の象徴で、それを倒し春を迎えるという意味があります。
ほかにスイスやリヒテンシュタイン、北チロル、ドイツ南西部などでも行われるそうですが、フォアアールベルクではこの日にFunkaküchleを食べる習慣があることからKüachle-Sonntagと呼ぶこともあるそう。

読みは「フンカキューヒレ」だと思いますが、Funkaküachle(フンカキュアヒレ?)という綴りも出てくるので、地域によって微妙な差があるのかもしれません。
山と谷ばかりの地域では、谷ごとに言葉が変わる…ということもあるものなので。
初めて知ったのは日本で開催されたオーストリアのお菓子セミナーでいただいたものだったのですが、私も現地ではまだ食べたことがありません。
Funkakuechle
セミナーでいただいたFunkaküchle。
また、Funkaküchleを検索すると、チロルのKiachl(キアヒル。ウィーンではBauernkrapfenとも)と似た平たい揚げドーナツのような画像も出てくるので、地域によってはキアヒルのことをフンカキューヒレと呼ぶのかも…。
キアヒルはクリスマスマーケットなど冬の屋台グルメとして広く親しまれています。
クリスマスマーケットのキアヒル(バウアーンクラプフェン)。甘いもののほか、ザワークラウトをのせるのも意外なおいしさ!

2. Funkaküchleのレシピ

参考にしたのはフォアアールベルク州にあるホテルのブログに掲載されていたもの。こちらが伝統的なレシピだそうです。
https://blog.ferienhotel.at/rezept-fuer-funkakuechle/

◆材料
小麦粉 250g
バター 80g
卵 1個
生クリーム 100ml
塩 ひとつまみ
冷たい牛乳 少々

◆作り方
※上記リンクのレシピに補足を加えています。

(1)材料をすべて混ぜ、しっかり練り込みます。

(2)まとまったら冷蔵庫で30分寝かせます。

(3)打ち粉をして麺棒で生地を伸ばします。薄さはナイフの背と同じくらいが目安だそう。

(4)一辺約10cmの四角形に生地を切り(大きさや形はお好みでも大丈夫)、160~180度の油で揚げます。
油の温度はレシピにより差があったのでだいたいこのくらいでw

(5)ひっくり返しつつ、両面がキツネ色になったら出来上がり。
Funkakuechle

お皿に盛り、熱いうちに粉砂糖をふりかけていただきます。

今回は一気に混ぜず生クリームは少しずつ加えたところ、牛乳を入れると生地がゆるくなりすぎそうだったので牛乳抜きで作っています。

このほか、調べるとオーストリアのテレビ局に視聴者から寄せられたレシピがまとめられたページを見つけました。

https://vbgv1.orf.at/magazin/studio/stories/6669/index.html

「様々なレシピがありますが、いずれも脂にまみれています」と書かれてあるのがなんとも言えません(笑)

3. さて、お味は…

Funkakuechle

熱々のうちに早速いただきます!

プクッと膨らんだ生地は、パイのようなサクッと軽い食感。
材料を見ていただければわかるように、生地に甘さはなくとても素朴な味わいです。

これは手が止まらない…!

シンプル中のシンプルなので、揚げるのにも新鮮な油を使うなど、素材が大切!という気がしますね。

さて、上記レシピではそこそこの量ができてしまうので(4~5人前程度)、生地が結構余ってしまいました。それは塊のままラップをして冷蔵庫へ。

翌日、取り出すと少し硬くはなっていたものの充分使えそうです。
半分は普通に揚げましたが、ふと思いついて残りは間にチーズを挟んでみました! なんと罪深い!w
Funkakuechle

仕上げに塩と粗挽き胡椒をパラっと…
Funkakuechle
手前がチーズ入り、奥はオーソドックスなタイプ。
はい、おいしくないわけがないですね…。
ワインのおつまみにもピッタリです!
邪道と言われるかもしれないけど…(笑)

以前、お菓子セミナーでいただいたものはもっと硬い食感だったので、レシピによって仕上がりにもかなり差が出るのだと思います。

いろいろ試してみたいけど、「脂まみれ」なので…頻繁に食べるのは控えておきたいところ…。おいしいけど…。

私はめったにお菓子作りをする方ではないのですが、それでもあっという間にできてしまったFunkaküchle。
寒い日のおやつに作ってみてはいかがでしょう?


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